密集した針の間か ら、溶けたチョコ レートみたいにだ らだらと血が流れ 、地面に染みこん でいく。女たちの うめき声と共に、 遺体のはまった壁 が開いた。勝ち気 そうなななみは、 何事もなかったか のように歩きだす 。 「どういうこと」 「あれはなに?」 「なんなのよ、こ こ!」 「あんたなんなの !」 「あんたこそ!」 「あたしはななみ よ!」 「あたしがななみ よ!」 「なんですって」