「どこに行くのか

 しら」

 「あの子はなんか

 知っているのかし

 ら」

 「そうとしか思え

 ないわね」

 「そうだわね」

 ふたりだけでコソ

 コソと囁きあう。

  先頭のななみが

 にっこりと振りむ

 く。行き止まりだ

 。なめらかな岩壁

 に、ジンジャーク

 ッキー型の棺がは

 りついている。

 「そうねぇ……あ

 んた、いらっしゃ

 い」

 柔らかな髪をかき

 むしっていた女は

 、ぴたりと動きを

 止める。