今日は、部活が、結構長引いてしまった。
唯、大丈夫かな?
新しい環境についていけなくて、体調を崩すことがあるから…
「零、帰ろっか」
「おぅ」
こいつは、中学の時からいっしょにいる礼央。
こいつは、俺とは、正反対の性格をしている。
あいつは、明るくて、人なっこい。
そんなところが、モテるんだろうけど。
家が近いから、いっしょに帰ることにした。
「なぁ、あれ唯ちゃんじゃね」
「はぁっ?」
なんでこんな時間に、あいつがこんなところにいるんだよ…?
しかも、少しふらついてるし…
絶対に体調悪いだろ。
また、我慢しているんだ。
本当にこりないやつだな…
急いで、俺は唯のもとに行った。
「唯」
「…零くん?」
「あぁ、なんでこんな時間に帰っているんだ?」
「部活…」
はぁっ…
部活入っちゃったか…
吹奏楽部だろうけど…
また、心配事がひとつ増えちまうじゃねぇか…
「身体、しんどいんだろ?」
「…‼
そんなことないもん…」
ばれちゃったみたいな顔をして、そんなこと言えるかよ。
「とりあえず帰るぞ」
「…うん」
唯は、隣にいた女に、手を振ていた。
っていうか、いたんだ。
なんでこいつは、気づかなかったんだ?
こんなにも、体調が悪そうなのに。
でも、いまは早く帰ってこいつを寝かせないと。
角を曲がり、礼央たちが見えなくなると、唯は倒れそうなくらいふらついた。
「おっと…」
地面につく寸前で、こいつを抱きとめた。
身体が熱い…
こりゃ、相当我慢してたな…
もっと、早く気づいてあげればよかったな…
「唯、いつから調子悪い?」
「お昼…」
「そっか…」
昼か…
保健室に行けばよかったのに…
なんで、我慢するかな~
少しは、自分の身体を理解すればいいのに…
家について、熱を測って見ると、38℃0
はぁっ…
よくこんなに熱があるのに、歩けたなぁ…
まぁ、それが、こいつの意地なんだろうけど…
あんまり無理をして欲しくないのが俺の本音。
本当のことを言うと、部活にも入って欲しくなかった。
さすがに、そこまで言うと、唯におこられる
俺は、唯のことになるとかなりのしんぱいしょうらしい
どうしようもないんだけど…
「めし、なんか食うか?」
「…いらない」
「じゃ、薬のめ」
「寝る‼」
あ、逃げた…
あいつの薬嫌いは、まだ健在かぁ…
困ったなぁ…
このまえ、婚約者だといわれた感じではない。
もう、長く付き合っていそうなかんじ。
俺の勝手な想像だけど。
こいつは、人見知り。
しかも、極度の。
なのに、久しぶりにあった時、それから、この家に始めてきた時、こいつとは、普通に話せていた。
昔のことを、こいつの頭は忘れていても、身体が覚えていたんだろうな…
きっと…
俺は、しょうがなく、自分の口に、水と薬を含ませた。
そして、唯に近づき…
「…んっ」
口移しをした。
早く良くなって欲しいからな。
てか、こいつに始めてキスした…
まぁ、いいっか、これからたくさんするつもりでいるしな。
俺は、ぐっすりと眠っている唯の頭をやさしく撫でた…
唯を見ているうちにだんだん眠くなってきてしまった…
まぁ、少しぐらいいいよな…
唯…
…おやすみ
家までの帰り道、佳奈美といっしょに歩いているんだけど、からだが重たくて…
風引いちゃったかな…
でも、佳奈美心配をかけたくないから、我慢する。
私、たまにこういうことあるから、自分のからだがきらい。
もっと普通の人みたいだったら、思いっきり楽しめるのになぁ…
一回だけ、小学校の時に頑張りすぎて!救急車で運ばれた時もあった。
…ん?
その時、助けてくれた男の子がいたんだけどなぁ…
誰だっけ?
まぁ、きっと、またいつか思い出すでしょ‼
それよりも、いまは、しんどい~‼
そんな時…
「唯」
「…零くん?」
零くんだ。
なんでこんなところに…?
隣には、知らない男の人がいる。
怖いなぁ…
「からだしんどいんだろ?」
「えっ?」
なんで、佳奈美には、ばれていないのに…
この前、いっしょにいるようになっただけの零くんが!わかるんだろう…?
っていうか、怖い…
なんか、なんでも知っていそうで怖い…
「帰るぞ」
「…うん」
ここは、素直に聞いておかないとね…
あとがね…
佳奈美が、そのままだ…
大丈夫かな…?
知らない男の人と一緒で
まぁ!佳奈美は、私みたいに人見知りじゃないから大丈夫かな‼
角を曲がり、佳奈美たちが見えなくなった。
気が緩んだのか、私は、ふらついて、倒れそうになってしまった…
「…おっと」
零くんが、地面すれすれの所で、抱きとめてくれた…
はぁっ…
なんか、今さっきよりもからだがしんどい…
零くんに支えられながら、家に帰る途中、二人とも何も話さずいると
「唯、いつから調子悪い」
「…お昼」
本当は、朝ですけど、朝はちょっとやばいかなって思って…
だって、そうしたら、なんで学校に行ったって言われるだろうし…
そんなことを考えていたら、家についてしまった…
熱を測って見ると…
38℃0…
私、がんばった‼
よし、寝よ‼
「めし、なんか食うか?」
「…いらない」
もう、ご飯なんて、食べる元気がないもん…
早く寝たい…
「じゃ、薬のめ」
「寝る‼」
薬なんて、いやだし…
あんな苦いの嫌い‼
私は、駆け込むように、自分の部屋に入った。
でも、零くんは、ついてきて…
いやだよ~‼
薬なんて、飲まなくても風邪なんて治るもん‼
私は、ねているふりをしている。
だって、薬のみたくない‼
意地だよ意地‼
のみたくないものは飲みたくないんだ‼
「…んっ」
なんだこりゃ…?
なんか入ってきた…?
っていうか、いま零くん、私になにした?
唇に…
ぎゃー‼‼
き、キスしたよ…
私のファーストキスがぁ…
自分でもわかるくらい、顔が赤くなってる…
もぅ、ねつが上がっちゃうじゃん‼
しかも、多分、っていうか絶対に薬のんじゃったし‼
まぁ、それはいいことかぁ?
それよりも、き、キスだよ…
なんで…?
私に薬を飲ませるためか…
解決したし…
まぁ、とりあえず寝よ…
おやすみなさ~い…