「起きたか?」

志麻の黒い髪が、俺の頬に掠れる感覚に問いかけた。

「起きてない」

起きてるくせに。

「寒いな。」

冷たい空気に、寒がりの志麻が凍り付いてしまうんじゃないかと思う。

「あなたが居るから
寒くない。」

― 可愛い奴…。

お前のそんな所が好きなんだよ。