一緒にいるようになって、三年が経つ。

友之はあたしより11歳年上で、妻子のある人間。

あたしは愛人だ。

ただ、友之に愛されて、報われない愛を注いで居座る側室だ。

この関係を苦痛に思わなくなったのは、いつからだろうか。


―....あぁ、そうだ。
友之が結婚指輪を
着けなくなった頃から。


「志麻
お前以外の女を
抱きたいと
思わなくなった」

友之が悲しそうに笑って、あたしに伝えてくれた日から。


あたしは、友之と言う『廓』の中に住み着いた猫になった。