それから月日が過ぎて、二人で旅行に来た。

周りの目を気にしなくていいように…と、前から志麻が来たがっていた京都に来た。

「しばらく二人で
旅行なんて来れねぇな」

事を終えて、志麻の髪を撫でながら呟く。

「…そうだね。」

煙草に火を点けながら、志麻も呟く。

「お前、そろそろ
本命の男作れよ?
なあ、志麻」

意地悪が言いたくなる。

本当に志麻に、他の男が出来たなんて聞いたら…俺は年甲斐もなく、狂うんじゃないかと思うのに。

いつも言ってしまう。

「…要らない。
友之以外の男に
抱かれたいと思わない」

そう言って困った顔をする、お前が見たくて。