『あなた達は、本当に子供達の事を考えているの!?私には、母親の理想をただ子供達に押し付けてるようにしかみえません!!』

『あんた何様のつもり!!わかった口聞くんじゃないわよ。』

教育実習の先生は、泣き虫なんかじゃなかった…


生徒に馬鹿にされている時は泣いていたのに、母親達との争いには負けていなかった…


そんな争いをジッと見つめていたのは、美麗だった…

なんだか淋し気な顔をしてる。


私は思った………

美麗は、自分のママに不満があるんだって。

美麗の親友で、私の幼なじみでもある美奈に、ある事を聞いてみた。


『美麗の家族って、どんな感じなの…!?』

『美麗の家はお金持ちだけど、明るい家庭ではないんだよ… 家族と一緒に住んでたって、皆で揃う事はほとんどないし、会話なんてない… マジで冷めた親子なんだよッ…。』

私とは全く違う………

冷めた親子だなんて、私には耐えられない。美麗は淋しかったんだ… 淋しさから、心を閉ざしてしまったに違いない。