「魔王、目が……」


あの時のヴァイオレットのようにゼロの瞳が赤く光る


怖い……


ゼロの腕の中で震えていると、ゼロは鼻で笑ってリュリュカを見下ろす


「言っただろう?お前に拒否権はないと……」


ゼロの歩く速度が速くなる


今のリュリュカにはイヤな予感しかしない


「魔王、降ろして!」


胸を叩いて降ろすように伝えるが、ゼロの抱く力は強くなる一方


「やっ!離して!!」


声を荒げるリュリュカを煩わしく思ったのか、ゼロは片手でリュリュカの口を押さえた


「んんっ!」


「少し黙っていろ」


冷たく言い放つゼロ


恐怖しか感じないリュリュカはもう大人しくするしか選択肢がなかった


気づけば長い廊下を渡りきって、見覚えのある部屋の中に入る