「なぁ大臣。この会場にいる女なら、誰でもいいのか?」
「はい、構いません。ここにいる娘たちは貴族ものですから、陛下が気に入った者をお選びください」
「そうか。なら俺は決めた」
「左様ですか?」
「あぁ。俺はこいつを、俺の妃にする」
そう言ってまたリュリュカの肩を抱くと、ベールを取ってリュリュカの顔を周りにさらす
「き、金の髪……。それにこの何ともいえない甘い香り。この者はどこの娘ですか……?」
大臣が息を飲んでゼロに尋ねる
ゼロは大臣の反応に満足すると、目を細めてこう言った
「こいつは悪魔ではない。天使だ」
「て、天使ですとっ!?なりません!天使を妃になど迎え得ることはできません!」
「貴殿はこの会場にいる女なら誰でもいいと言ったではないか。自分が言ったことを違えるつもりか?」