「まぁそう警戒しないの」


にこにこと笑うシェゾ


「……確か、魔王に部屋から出ないように言われてたんでは?」


「言われたよ。だから内緒で来たんじゃないか」

「内緒でって。魔王に怒られてもしりませんよ」

「怒るくらいなら可愛いよ。あいつは本気で父親でも殺そうとするからね」


そう言うとシェゾはヴァイオレットに入れてもらった紅茶の香りを確かめてから一口口に付ける


「今回もね、ゾノがいなかったら陛下直々に命を奪われてただろう」


笑みを浮かべるシェゾ


そんなシェゾに少し引き気味にリュリュカは話した


「随分嬉しそうに言うんですね」


「まぁね。きっとあいつは僕を殺せなかった事に腸煮えくり返る思いなんだと思えば、自然と笑みがでるよ」