「だがお前の羽根、全くと言っていいほど黒くならない。なぜだ?お前は何者だ?」


「黒くなってない?ほ、本当に?」


ゼロの質問を無視して、今までしまっていた羽根を実体化させて、そっとそれを見てみる


「堕天してない……?」

寝ながらで見にくいが、そこには相変わらず真っ白な羽根があった


しかし全く影響を受けていないわけでもないらしく、光の強さが少し弱まっているようだった


「私まだ天使なんだ。よかったぁ」


ほっと胸をなで下ろしていると、不機嫌な様子のゼロの顔が近づいてくる

「質問に答えろ。お前は何者なんだ」


何者って言われても…


「……私は私です。何者でもありません」


「ふざけているのか?」

「そんなつもりはないわ。それにあなたは私には興味が無いって言ったのだから、気にする必要は無いと思うし、私があなたを嫌っていてもなんの問題もないはずです」


無理やり妻にされ、あまつさえ本人には興味がないと言われたのだ


それなのに何故嫌うのかとか、何者なのかと聞かれなくてはならないのだろうか…