ゼロはリュリュカを抱き抱えると、奥の部屋にあるキングサイズのベッドに寝かせる
そしてゼロはリュリュカのそばに腰掛けて前髪をはらうと、彼女特有の甘い芳香がゼロの鼻をかすめた
力の弱い悪魔ならすぐに理性を無くすほどの強い芳香にゼロは軽く酔いしれる
不意に、ゼロはリュリュカの背中に生えている羽根に目がいった
悪魔とはまったく違う汚れを知らない真っ白な羽根
けどゼロには引っかかることがあった
「何故まだ白さを保っているのだ?」
普通の天使なら二日もすれば羽根は黒く染まりだすはずなのだが、リュリュカの羽根は染み一つない
何かおかしいと首を傾げていると、遠くのほうから扉をたたく音がした
しかもふざけたノック
そんなことをするのは決まっている