「陛下っ!ですが天使を妃にした例がありません。ですからこの悪魔界の者を妃にお選びになってください!」
汗を拭いてゼロを見ると、小さく悲鳴をあげて顔を伏せる
男が怯えるのも無理はない
ゼロは獣のような目でじっと男を睨みつけていた
「言いたいのはそれだけか?ならば話はこれで終わりだ」
指をふって兵士を呼ぶと、男を強制的に退場させようとするが、男はゼロに手を伸ばして抵抗する
「お待ちください陛下!話はまだ終わっておりません!」
「しつこい。大体祝いの言葉を述べた後に次に妃を選べだなどとよく言えたな。……もういい。そいつ殺せ」
ゼロは口を開くのも煩わしくなり、背筋が震える命令をだす
うるさかった男はゼロの言葉で静まり、顔を真っ青にさせる
「……や、止めて魔王!」
男よりも早く助けを求めたのはリュリュカだった
立ち上がり、ゼロの肩を揺らして頼み込む
「殺しちゃだめよ!お願い助けてあげて」