何処まで歩いても白い建物ばかり。


やはり夢と一緒で静まり返っていた。


「帰るか・・・。」


俺は引き返そうと振り返ったところに


大きな屋敷が建っていた。


「さっきまで無かったのに・・・。」


俺はその屋敷の


ドアに触れようとした時


自然とドアが開いた。


入ってみると


紅い絨毯が敷かれていた。


「綺麗だな・・・.」


目の前には


二階へ続くと思われる


階段があった。


「どなたですか・・・?」


「うわぁ!!!!!」


いきなり後ろから


話し掛けられて俺は


大声をあげてしまった。


振り返ると


夢に出できた女の人が


微笑んでいた。


綺麗な女の人だった。


「すいません。


大声出してしまったりして・・・。」


と謝ると


「ふふっ」と笑った。


「今日はもう帰ったら?


けっこう暗いですよ?」


と言った。


鈴を転がしたような声だった。


「はぁ・・・。」


俺はその女の人に従って


帰る事にした。


「またいらっしゃい・・・。


仮谷ハジメくん」


女の人が怪しく笑った。


そんな事に


気づいていない俺は


スキップで家に帰った。