11月ー。


それは北風が吹く寒い日だった。


深夜2時、闇が辺りを包み込む。


「た、助けて・・・」


男はガクガクと震えている。


11月の寒さのせいもあるが、それだけではない。


「何て言ったのー?聞こえなーい」


闇の中に明るい声が響き渡る。


「わ、悪気は無かったんだ。仕事が無くてむしゃくしゃしてて・・・」


「だったら妊婦を見殺しにして、それを動画サイトにアップしてもいいわけ~?」


相手の声はあくまでも明るい。