講義が終わって急いで美姫の家に行くと、美姫が例の動画を見ていた。


その手にはまだ包帯が巻かれていた。


「主人の会社の人が美姫じゃないかって教えてくれたの。ちょうどその時美姫が電話に出てしまって･･･」


部屋に案内してくれた美姫の母が気の毒そうに私に説明した。


暗い部屋の中で動画を見る美姫の横顔が青白く浮かび上がっていた。


「何で･･･」


美姫が呟く。


「何であんなに助けてって叫んだのに助けてくれなかったの！？」


「美姫･･･」


「私だけじゃなくてリオまで死んじゃう所だったのに何で助けてくれなかったの！？こんなの撮影して何が楽しいの！？」


美姫は椅子から立ち上がってパソコンの画面に向かって叫んだ。


「何で･･･、何で･･･」


私はその場で泣き崩れる美姫をやりきれない思いで抱きしめた。