お腹が大きくなったので重心が下がり、バッグを掴んだまま美姫の体は歩道橋から離れた。


「えっ!?」


美姫は咄嗟の判断で空いている方の左手で歩道橋の端を掴んだ。


「だ、誰か助けてぇぇ」


叫ぶも人気は無く、車も通っていなかった。


バッグはすぐに道路に放った。


「だ、誰か・・・」


美姫は必死で歩道橋の端を掴むものの、自分とリオの重みですぐにでも落下してしまいそうだった。


空いた右手を伸ばしても端は掴めない。


「お願いだから・・・」


美姫は半泣き状態になっていた。