こうして入学式を終え、前期の講義が始まった。


私達はほぼ同じ科目を取っていたので、行く時間が毎日一緒だった。


しかもサークルまで同じだった。


インドア系、アウトドア系のサークルが沢山ある中で美姫が選んだのは、ボランティアサークルだった。


私はサークル活動にあまり興味が無く、もしいいのが無ければバイトでもしようと考えていた。


そこで美姫がボランティアサークルに入部したので、自分も入れば就職に有利になると思って一緒に入部したのだ。


主な活動は老人ホームや障害者施設を訪問して、話を聞いたり、折り紙やあやとりなどの簡単なゲームをしたりして一緒に過ごすことだった。


特に美姫はボランティア活動に積極的に参加していた。


手話も覚え、挨拶程度なら出来るようになっていた。


「私はあなたを愛しています」


の左手の甲を右手で優しく撫でる仕草は、女の私でもドキッとした。