初対面の美姫は、背中まである長い黒髪のストレートだった。


小花柄のワンピースを着ていた。


「初めまして」


そう言った美姫の笑顔がとても可愛かったことを覚えている。


「初めまして・・・」


それにつられて私もボサボサの茶髪のボブをなでつけた。




「ここに来る前はどこに住んでたの?」


母が淹れてくれたハーブティーを飲みながら美紀に尋ねた。


「北海道だよ」


向かいのソファに座った美姫が答える。


「どうしてこっちに?」


「父が転勤になって。だからわたしもこっちの大学を選んだの。東京って憧れてたし」


美姫の父親は証券会社に勤めているという。