「王ちゃん・・・?」


白衣を着てマスクをした男の人はこくんと頷いた。


二人は保育器のある部屋を出た。


英王は白衣を脱いでマスクを外した。


「何で未来に?」


「博士が姫のことを教えてくれたんだ」


「でも王ちゃん、この時代には何も無いし、危険に晒されるし、家族や友達ともう二度と会えないんだよ」


「博士に頼んで家族や友達のオレについての記憶を消してもらった。でも、自分で決めたことだから後悔はしていない」


「そんな・・・。それに就職も決まったばかりだったのに・・・」


「いいんだ。オレの夢は姫とリオと三人で家族仲良く暮らすことだったから」


英王はフフフと笑った。