「私は王ちゃんと出会えてとても幸せでした。機会を与えてくれて本当に感謝しています」


「リオももうすぐ生まれるな」


博士は美姫のお腹に触れた。


「博士」


「何だ?」


「博士が昔、私達におとぎ話を読んでくれたことを覚えていますか?」


「ああ。トーリはおとぎ話が好きだったな」


「おとぎ話の王子様とお姫様はいつもハッピーエンドでした。私と王ちゃんもそうだったと思うんです」


「でも、お前達は離れ離れになったじゃないか」


「私も王ちゃんと過ごしてリオを授かった時はハッピーエンドでした。おとぎ話の王子様とお姫様もハッピーエンドになった後も人生は続いていきます。例えそれがハッピーエンドじゃないとしても」


「そうだな・・・」