「博士、タイリンの様子はどうですか?」


「この分ならあと1ヶ月で完治するだろう」


博士も培養液の中のタイリンを見た。


「ところで英王を連れて来なくて本当に良かったのか?」


博士は美姫の方を振り返った。


「はい。これで良かったと思っています」


「我々は全力を尽くして英王を監視している。だが、最善策はここに連れて来ることだろう。そうすればもう心配はいらない。そう思わないか?」


「はい。でも、過去の何でも揃っている時代からここに来れば全てのことが制限されます。それはとても窮屈に感じられるでしょう。私は王ちゃんに不自由な思いはさせたくないのです。それに王ちゃんの夢を壊したくない」


「そうか・・・。それがトーリが出した答えなんだな。了解した」


「ワガママ言ってすいません」


「いや、いい。確かにお前はこの時代に戻って来たし、リオの父親とはいえ、あいつらもこれ以上人間には手を出してこないだろう」