「美姫、こっちこそ沢山お世話になったね。未来に帰っても頑張ってね。元気な赤ちゃんを産んでね・・・」


最後は涙混じりになった。


美姫はそれを天使のような笑顔で見守っていた。


それを最後だと見なしたのか光の柱の色が濃くなった。


その時美姫は気付いた。


未来に過去の物は持っていけない。


美姫は右手にはめられたダイヤのエンゲージリングを外して、私に向かって放った。


「もし、あなたの記憶が消されなかったら王ちゃんに伝えて。心から愛していたと。いつも見守っていると」


光の色が濃くなり、美姫の姿が見えづらくなった。


そして三人の姿が見えなくなり、光の柱も消えた。


これが私が美姫を見た最後だったー。