「だったらロボットだけで十分じゃない。何故ヒューマノイドを必要とするの？」


「正確にはヒューマノイドの脳が欲しいんだ。僕達はとても優秀だけど、一つだけ欠点がある。それは感情が無いこと。だから君達の脳を研究して、君達の脳と僕達の体を融合するんだ。そうすれば永久に生きられる。理想だと思わないか？」


今までロボット達がノアの箱舟を大人数で攻撃してこなかったのは、戒でも人間でもなく、ヒューマノイドを狙っていたからなんだ。


確かにこれまで人間がロボットに捕まった例はあったけど、ヒューマノイドが捕まったことは無かった。


だから気付かなかったんだ。


ロボット達は世界制服をしてもそれ以上の欲求が無い。


だから自分達に唯一欠けているもの、“感情”が欲しかったんだー。


「じゃあ、私達の脳を取り出すの？」


「いや、さっきも言った通り危害は加えない。僕達も笑ったり泣いたり喜んだり怒ったりは出来る。でも、それは見せかけにすぎないんだ。どういった原理でそれらが起きているのかが分からない」


ここで人型ロボットは一息ついた。


「だから君達の脳を研究したい。頭に器具は付けさせてもらうけど、それ以外は自由にしてもらって構わない」