美姫は薄れゆく意識の中で、以前にもこんなことがあったのを思い出していた。


英王をイングリッシュガーデンで待っていた時、あの時も雨が降ってきてこんな風に傘を差し出してくれたっけ。


嬉しかったな・・・。


何故か美姫の目には涙が光っていた。


英王は大きなお腹をした美姫を楽々と抱きかかえた。


傘は置き去りにして、そのままスタスタと歩き始めたー。




一方、私とタイリンはケーキを取りに行って戻ったら美姫がいなかったので驚いていた。


あんな体でどこに行ったというのだろう。


和久に連絡したが分からないということだった。彼もすぐに戻るという。


しばらくしたら博士からタイリンに連絡が入った。


美姫の居場所が分からなくなってしまった、とのことだった。