美姫はデパートを後にしたが、やはりクリスマスイヴと土曜日が重なっているのでとても混雑していた。


健康体の時はヒューマノイドなのでわけはないが、体が弱っている時は辛かった。


今までこんな風に具合が悪くなるなんてことなかったのに、一体どうしたことだろう・・・。


雪も粉雪から本降りになっていた。


急いで出たので傘を持ってくるのを忘れてしまった。


美姫はスーツの入った紙袋を持ちながら、お腹を必死で押さえた。


「ゴメンね、リオ」


熱のせいか意識も朦朧としてきて、体がふらつき始めた。


その時だった。


腕を掴まれ、傘が差し出された。


英王だったー。