タイリンは博士との通話が終わり、通信を切った。


あれから三日経ったが、あの男二人のことはニュースでやっていなかった。


博士は憤りを感じ、戒で記憶操作をしなかった。


元が悪い人間だったのだろう、いなくなって三日経っても誰も不思議に思わないのかもしれない。


タイリンは、存在しなくてもいい奴はいるんだなと思った。


あの事件があってから、美姫と和久はタイリンの家に引っ越した。


あと四日しかなくて荷物を移動するのが大変でも、辛いことを思い出すからと美姫が和久に気を遣ったんだろう。


私は美姫と気まずくなってしまった。


美姫は変わらない。今までと同じ態度だ。


ただ、私があの事件以来、美姫とどう接したらいいのか分からなくて避けるようになってしまったのだ。