タイリンの家に着くとソファに座らせてくれ、コーヒーを淹れてくれた。


「隣の人間に聞いたんだ。これの淹れ方」


「隣の人間って･･･。名前は知らないの？」


「ああ。人間はヒューマノイドより位が下だからな。守る対象でしかないし、名前なんていちいち覚えていない」


「彼らはどうして美姫と一緒にやって来たの？」


「トーリを守るのと監視する為。トーリは記憶と共に能力も失っていたから。でも、心配はしていなかった」


「どうして？」


「チップにより体に危機が迫ると回避するようになっているからさ。トーリが何回か暴力を振るったことがあっただろう？それはリオの力じゃなくて、トーリが危険を回避したと見られている」


「それで･･･」


「ただしヒューマノイドとしてではなく、人間の“美姫”として攻撃していたから大事には至らなかった。めぐむはラッキーだったぞ。もしあそこでヒューマノイドとしてパンチされてみろ、即死だったな」


タイリンはおかしそうに笑った。