私はビックリした。


「えぇ~、ウソでしょぉ~。じゃあ好きな人は?」


「いないよ、今は」


「今は?」


美姫はまっすぐ前を向いて話し始めた。


「私にはもうすぐ運命の王子様が現れるんだ」


「はぁ~!?」


美姫は今ドキにしては珍しく、全然すれた所が無かった。


それはこっち育ちではないからだと思っていたけれど、それにしても純粋というか世間知らずというか・・・。


「それバカにされるから誰にも言わない方がいいよ」


と私は美姫に釘を刺しておいた。