ある日の放課後、それとなく光男に聞いてみた。
「光男はアダルトビデオとか見たことあるか?」
光男の丸い顔が急に真っ赤になった。何を聞くんだよと目で訴えていた。ちょっと小声で答えた。
「んー、そりゃあ、あるけど…。」
「どうだった?抜けた?」「いや、最初はドキドキしていたんだけど、なんか途中で女の子がかわいそうになっちゃってさ。止めちゃったよ。」
「やっぱ、それは麻田マヨ似の子だったから?」
「ち、違うよ!い、言うなー!それ以上言うなー!いくらお前でも怒るぞー。マヨちゃんは性的対象なんかじゃないよ。マヨちゃんのHなんて絶対考えられない。清く、正しく、美しくとはマヨちゃんのことを言うんだよ。」
「ごめん、悪かった。冗談だよー。」
「僕にとってマヨちゃんは女神なんだ。他の女の子を好きになったりしたら、マヨちゃんが悲しむだろうから、僕はマヨちゃん以外は絶対好きにならない。」
宇美はハイハイって思った。今の光男に何を話しても無駄だった。多分、光男はまだ幼いのだろう。きっとそのうちアダルトビデオに夢中になるに違いない。麻田マヨだって、いつか芸能界で汚れるのは間違いない。もしかしたらもうバージンを喪失しているかしれない。可愛い顔して男を食っているかもしれない。宇美はその日以来、光男と性的な話題は避けるようにした。