宇美はテレビ番組ではしゃぐ“おねぇマン”を羨ましく思っていた。彼女達みたいに明るく堂々と胸を張って生きたい。でも自分はできない。絶対に無理だ。宇美は小さい頃から自分を病気だと思って自己嫌悪に陥っていた。同性愛なんて間違っている。キモい。最悪だ。なんとか女の子に性的な魅力を感じたいと思って努力した。深夜の本屋でこっそりエロい雑誌を立ち読みした。ハレンチなポーズやヘア出しグラビアなど。でも、全然興奮しなかった。レンタルビデオで未成年であることを隠してアダルトビデオを借りて見た。けれど何にも感じなかった。勃起しないのだ。まだ若いからだ、そのうち変わるだろうと思っていた。けれどいつになっても、変わらないことにようやく気付いた。