二人は何もなかった。それは紛れも無い事実だ。だから君は堂々としていなさい。これからもいろいろなことがあるだろう。けれど、負けないで立ち向かってほしい。どうか現実から逃げないでほしい。しかし、私は先生という立場としての責任は大きい。何らかの処分があるだろう。もう昔じゃないんだ。謝ってすむことじゃない。でも、せめて君だけには真実を伝えたかった。 敬具」小さいが、綺麗な字で書かれていた。速水から何かをもらったのは初めてだった。それはあまりに悲しいクリスマスプレゼントだった。