幸せは長く続かなかった。当時は今のように携帯電話なんてなかったから、電話か手紙か、直接会うかしかなかった。私は電話じゃ家族に怪しまれるし、ましてや直接なんて言えなかったから、手紙をたくさん書いた。ラブレターをいつも下駄箱の靴の中に入れていた。ある日、誰かが間違えて彼の靴を履いてしまい、私の手紙がばれてしまった。そして学校中大騒ぎになって、私達は職員室に呼び出された。もちろんお互いの両親まで。あの時の恥ずかしさは今も忘れることができない。当時、彼には君のお母さんという恋人がいたのだよ。だけど、彼は私の気持ちもちゃんと汲み取ってくれていた。それなのに…」