宇美はそのことを誰にも話せなかった。家族にさえ話していない。
「僕は男が好きだ。」
なんてカミングアウトしたら、みんなに変態扱いされ、嫌われたりいじめられることが怖かったからだ。しかし、隠していることは非常に辛かった。素直に告白できたらどんなに楽だろう。早く誰かに解ってもらいたい。同じ苦しみを誰かと分かち合いたいと思った。自分が自分らしくいられない。宇美は心でずっと叫んでいた。最初はミクティで仲間を探そうかと思ったが、マイミクから自分の秘密がばれることを恐れてあきらめたのだった。ミクティでは誰とマイミクで、どんなコミュニティに入っているかがわかってしまうことが嫌だった。完全にプライベートがまる見えなのだ。誰かの悪口やら、ネガティブな話題など変なことは書けなかった。いつ、どこで、誰が見ているかわからない。いつもそんな見えない恐怖に怯えていた。