宇美はもう学校に行く気が起きなかった。部屋でボォーッとする日が続いた。勉強もしなかった。このまま自主退学することを考えていた。
「あんな騒ぎを起こしてクラスどころが、学校中で有名になってしまった。学校に行ったら、今度は学校中からいじめられるだろう。そんなの耐えられない。」宇美は学校を止めたら、どんな仕事ができるのか不安になった。ゲイができる仕事。宇美が自分らしくできる仕事。社会に出てからも、性の悩みは一生消えることはないだろう。また同じ過ちを繰り返すことを恐れた。もう二度と傷つきたくない。誰かを傷つけるくらいなら、傷つくほうがずっとましだと思っていたが、実際は想像以上に辛いということがわかった。