あの事件以後、宇美はバイトも辞めた。母親の公が電話した時、店長の酒巻は「突然辞められるのは困る。」
と言ったそうだが、
「病気で入院した。」
と言ったところ、やむを得ないとシブシブ納得したらしい。幸い、宇美と同じ学校の人はバイト先にいなかったので、宇美の噂が広まる恐れはなかった。宇美は精神的に疲れていた。人と直接関わることが再び怖くなってしまった。回復するには時間が必要だった。