2学期が始まってすぐだった。学校は体育祭や文化祭の準備で大忙しだった。 みんな勉強そっちのけで取り組んだ。宇美達帰宅部員は放課後遅くまで残って材料を集めたり、スポンサーを取りに駆けずり回っていた。しかし、宇美の心はそれどころではなかった。その頃、牙オッテカキーンズが奇跡的に順位を上げて、いつの間にかリーグ首位に浮上していた。
それにともない宇美と速水はさらに盛り上がっていた。学校ですれ違う度にアイコンタクトで
「今週も一緒に行くぞ。」と約束を交わした。宇美はそれが“愛してる”のサインにも感じられた。二人の仲は牙オッテの成績に比例するように急激に加速していった。