速水はそれからも何度か買い物に訪れた。常連客の中にもう一人知り合いがいた。同じクラスの芝崎結衣だ。ストレートのロングヘアとスラッと長い手足が魅力的な美少女だった。芝崎は宇美がバイトに入っている日はいつも来た。何にも買わない日もあった。来る度に宇美の方をちらちら見ているようだった。
「なぁ、あの子、お前に興味あるんじゃないか?」
「まさか…。」
酒巻に冷やかされて、さすがに宇美も意識した。しかし、女の子に興味がない宇美は特に何とも思わなかった。芝崎とは学校で一言も話したことがなかった。