宇美は体育の授業が1番楽しみだった。別に運動が好きだったからじゃない、小岩の体が見られるからだ。宇美は運動が苦手だった。それにしても小岩はいい身体をしていた。宇美は小岩にくぎづけだった。性格もさっぱりしていた。宇美が小岩に見とれて妄想していた時、
「コラーッ!きむらー!何ぼーっとしているんだ。外周走ってこい!」
怒る時は熱く怒鳴った。しかし、そこには生徒を思う“愛”が感じられた。それがまたたまらなかった。宇美の中で先生に恋するなんて異常だと思う“僕”と、そんなの関係ねぇと思う“あたし”が常に葛藤した。