宇美は放課後、光男とよく検見山駅下のタックで話をしていた。
“一”に関する調査結果について話していた時だった。光男が急に思い出したように叫んだ。
「あっ、あのさー、もしかして“一”ってヨコイチじゃねー?だってさー、漢字でよこいちって書くじゃん。」
あぁ、なるほど、確かに。そう言われて宇美もピンときた。
「そうか、担任の速水か。いくつか思い当たることはあった。それならば話が成り立つなぁ。光男、すげーじゃん。」
「よし、今度確かめてみようぜ。でもどうすれば確かめられるのかなぁ?」
二人は作戦を考えた。結局その時は良い案が浮かばなかった。
光男と別れて、宇美は自転車をこぎながら冷静に考えていた。何で“一”は宇美しかマイミクにしないのだろうか。担任の速水ならば、僕のことをいろいろと知っているだろう。それは担任だから間違いない。日記への中立的なコメントも納得できる。ただ問題は宇美と何で約束までしてマイミクになっているのかだった。何度考えても宇美にはわからなかった。