「ねえ、ガルン。」
エリザはまたため息とともにローブをたたむと、噛んで含める調子で言った。
「あなたは、ノルムの誰よりも青が似合うのよ。それのどこがいけないの。
それに…もし着られたとして、ピンクが嫌いなあなたに赤が似合うかしら?」
その言葉にガルンはきゅっと唇を噛んだ。
ガルンの髪は、ほとんど灰色に近い、褪せた褐色をしていた。
そして瞳は曇り空の灰色。
ガルンは自分が生まれ持ったこの色が大嫌いだった。
灰色自体はむしろガルンの冴えた美貌を引き立てるものだったのだけれど、この地味な色のせいで、ピンクや黄色といった華やかな色がガルンにはまったく似合わない。
服の色だけが浮いてしまうのだ。