「じゃあこれはどう?青ならあなたも好きでしょう。
これに正装の銀の帯を締めたらとてもきれいだと思うのだけど。」
エリザは次の1枚を手に取ると、むっつり横を向いたままのガルンに無理矢理あてがった。
その深い湖のような青のガウンはガルンによく似あっていた。
刺繍は銀一色、星を表す幾何学模様と渡り鳥を描いた、北の荒野にふさわしいデザインだ。
ちらりと鏡に目を向けたガルンだったが、ますます眉間のしわを深くしただけだった。
「…青ならいつでも着られるもん…」
確かにガルンの普段着には青が多かった。
彼女の灰色の髪と瞳には、それが一番似合っていたからだ。