普段は別に邪魔にもならないのだが、ガルンの場合馬で早駆けしていると背中でぽんぽん跳ねて少々気になるのだ。



「変だなんていうもんじゃありません。この町に古くから伝わるお守りなんですから。」



マルタは幾分とがめる口調でぴしりと言ったが、ガルンは気に留めず輪飾りをぼんやりと観察していた。



「お守りねえ・・・。でも、北原のどこにもないんだよ?

服装はどこの町も似たり寄ったりなのに、ノルムだけこの飾りをつけるの。
なんでなんだろ。」



別に答えを求めていたわけではなかったし、マルタもそれを分かってか何も答えなかった。


それから髪をすき終えて湯から上がるまで、マルタは他愛もあいおしゃべりを続け、ガルンも適当に返事をしていた。