「裏切ってはないだろうが!見捨てただけだ!」
「はあ!?従者が主人を捨てるって何?!こっちから捨ててやろうか?!!」
ルーのベルトを介しての取っ組み合いが始まりそうになったところで、その原因たる第3者の爆笑が部屋に響き渡った。
「君たちの仲が良いのは分かったから、そろそろ俺に用件をしゃべらせてくれないか?」
取っ組み合いは瞬時に解消された。
「・・・!す、すみません!!」
いろいろと。
ガバリと頭を下げた2人をながめて、トールはさらに愉快そうに高々と笑った。
「かしこまってくれる必要はない。俺は何も偉くなんかないからね。
俺は君らが言っていた通りの者さ。色々な意味で。」