一部赤が入っていたり、赤に近い臙脂や朱色のものはあるのだが、真紅の旗を持つのはガレティア皇旗だけだった。




その結論にたどり着いて、ガルンはゆっくりとルーの方をうかがった。彼もガルンを見つめていた。




「じゃあ、トールが魔族だとすると・・・」


「・・・ガレティア皇家の使者、ってことになるな。」




ふたりは、しばしぽかんと口を開けたまま、互いの顔を見つめた。



その沈黙をやぶったのは、小さくふき出した笑い声だった。




「・・・・・い、いやいやいや。それはない。なさすぎるよ!
皇帝の使者ってそんな!」