男はうなずくと、ちょっといたずらっぽい色を笑みにのせた。



「そう。だから、俺が門番を突破する方法は、こうだ。」



そして一歩下がると、フードを後ろに払った。

その動作は俊敏そのもので、ガルンは全く反応できず…そして、あらわになった男の顔にはっと息をのんだ。




それは、異国の民の顔立ちだった。



つややかな漆黒の髪に、漆黒の瞳。
そのまぶたはすっと筆を引いたように形良い切れ長だ。
きりりと真一文字の眉も、まっすぐな鼻梁も、やや薄い唇も、すべてが白く細い顔の上に完璧なバランスで配置されている。




彼はガルンの知るどんな顔とも似ていない、清らかな美しさを持った青年だった。



しかしその表情は、さっきとは打って変わって別人のように堅苦しいものだった。