「君をあなどってるわけじゃないんだ。」



男はまっすぐにガルンを見上げる。



「ただ、俺もこう見えて武術には自信がある。

君が相手だと本気にならないといけないだろう、手加減できないと君を傷つける可能性は十分あるからね。


対話と交渉をしにここに来た手前、町の子を傷つけるのは避けたい。」




丁寧に、ひとつひとつ噛んでふくめるような口調だった。

誠実としかいいようのないその姿勢に、ガルンの警戒心は揺れざるを得なかった。切っ先がほんの少し下がる。



「…対話と、交渉?」