その言葉にガルンはキッと男をにらみつけた。
短刀を両手で握りなおし、一番身体に入りやすい角度に刃を立てる。



「闘ろうっていうわけ?」



服越しに心臓を刃にさらしながら、男は少しも緊張のない動作で首を振った。



「暴力以外で。君を傷つけでもしたら今度こそ俺は、絶対町に入れなくなるだろ?」




この状況から、ガルンを負かす自信があるらしい。




「…女だと思ってナメてるの?あたしがちょっとそっち側によりかかったら、あんたの心臓串刺しなんだよ?」



むっとしてガルンが言うと、男はちょっと目を丸くして、笑みをひっこめた。



「とんでもない。
君が優れた戦士なのは、剣を握った瞬間から分かってるよ。」