7日後には、ガルンもそれをもらうだろう。

ナイフをもらい、髪を結いあげ、やがて訪れる花婿を待つのだ。



そして、町を出る。
ガルンを囲いから解き放つことができるのは、顔も知らない花婿だけ。





(あたしはナイフより、剣がほしいのに。)





成人の儀のしきたりを知ってから、いつも思っていたことだ。



男子は成人のとき、剣と弓矢を授かる。


それはそれまで使っていた狩り用の短剣や短弓ではなく、戦いに用いる長剣と強弓だ。男子の成人は、戦士の列に加わることであり、自力で外へ出ることを許されることなのだ。





自分の身を自分で守り、自分の足で、囲いを出ていく。




それはガルンにとって、着飾って迎えを待つことより、何倍も素敵なことに思えた。