「俺は山田が好きなのに変わりはないし、山田もそうだと信じてる。
だから会えなくても平気でいられる」

こんなことで山田とダメになってたまるか。

初めて心から恋した相手を、絶対失いたくない。

山田と離れている時間が、逆に俺を強くしたのかもしれない。

「ごめんな、不安な思いをさせて」

俺は山田と、そして自分に言い聞かせるように言った。

「でも離れていてダメになるのは、本当じゃないんだと思う。
離れていても、互いを思いながら山田は山田の時間を、俺は俺の時間を過ごせれば、二人の時間に繋がると思うから」

電話の向こうで山田が頷くのが分かった。

俺たちはきっと大丈夫。

山田がいてくれるだけでそう思える。

「山田」

俺は、メリークリスマス、とつぶやいて電話を切った。